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麹造りの映像

蒸し米に黄麹菌を植えて麹を造ります

麹の生産した酵素の働きによって、デンプン質を糖化して、呈味成分をつくります。 蒸米の溶解・糖化をつかさどる酵素類(α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、酸性プロテアーゼなど)の、酒母・醪(もろみ)への供給や、栄養素の提供による清酒酵母の増殖や醗酵の促進などの役割があります。

蒸米に種付けした麹菌胞子が発芽繁殖して菌糸が白く見える状態を破精(はぜ)といいます。

《《さらに詳しく》》

[麹]

麹とは、蒸した米に麹菌というコウジカビの胞子をふりかけて育てたもので、米のデンプン質をブドウ糖へ変える糖化の働きをします。

麹造りは正式には製麹(せいぎく)と呼ばれています。

口噛み製法で醸されていた原初期の日本酒をのぞいて、奈良時代の初めにはすでに麹を用いた製法が確立していたと考えられています。 以来、永らく麹造りは、酒造りの工程に占める重要性と、味噌や醤油など他の食品への供給需要から、酒屋業とは別個の専門職として室町時代まで営まれてきたのだが、1444年の文安の麹騒動によって酒屋業の一部へと武力で吸収合併されました。 現在、たいてい酒蔵には麹室(こうじむろ)と呼ばれる特別の部屋があり、そこで麹造りが行われています。

床暖房やエアコンなどで温度は30℃近く、湿度は60%以下に保たれています。

温度が高いのは、そうしないと黄麹菌が培養されないからであり、また湿度に関しては、それ以上高いと黄麹菌以外のカビや雑菌が繁殖してしまうからです。

入室には全身の消毒が必要で、関係者以外は入れません。

それに加え、室外から雑菌が入り込まないように二重扉、密閉窓、断熱壁など、かなりの資本をかけて念入りに造られて、よく「麹室は酒蔵の財産」と言われています。 麹からは糖化作用のためのデンプン分解酵素のほか、タンパク質分解酵素なども出ており、これらが蒸し米を溶かし、なおかつ酒質や酒味を決めていきます。 あまり酵素が出すぎると目指す酒質にならないため、米の溶け具合がちょうどよいところで止まるように麹を造る必要があります。

杜氏や蔵人の間ではよく「一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)」と言われ、「よい麹ができれば酒は七割できたも同然」という杜氏や蔵人もいるくらいで、酒造りの根本として重要視されます。

目安としては蒸し米30キログラムにつき約1坪のスペースが必要で、また大吟醸酒などでは蒸し米100キログラム当たりに振りかける黄麹菌は5グラムほどです。