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蒸し米

蒸し米は麹造り、酒母(もと)、もろみの仕込みに使われます

米を蒸かすことで、米デンプンをβ型(生デンプン)からα型(蒸米)に変化させます。 α化により麹菌の生産した糖化酵素の作用を受けやすくします。

また、加熱による白米の殺菌で、以後の醸造工程を安全に進めるねらいもあります。 蒸米の外側を硬く、内部は軟らかく溶けやすく蒸された外硬内軟(がいこうないなん)の蒸米をだすことが大切です。 蒸米が完全に蒸せたかどうか調べるために、掌で蒸米を押しつぶしてモチ状に練ったものを“ひねりもち”と言います。 硬さ、弾力、手触り、透明度などを調べます。蒸米担当者が杜氏に検査してもらう為につくるひねりもちを検蒸(けんじょう)といいます。

《《さらに詳しく》》

[蒸し米]

蒸気で米を蒸し蒸米をつくります。

蒸米は、麹、酒母、醪を作る各工程で用いられるので重要な製造工程の一つです。

浸漬を経た米は広げて、湿度を保たせます、この間も米は水分を吸収し続けています その後、麹の酵素が米のデンプンを分解しやすくさせるために、米を蒸します。 この工程を正式には蒸きょう(じょうきょう:「きょう」は「食へんに強」)、もしくは杜氏蔵人言葉で蒸しといいます。 普通酒などでは自動蒸米機(じどうじょうまいき)という機械を使用しますが、高級酒などでは和釜に載せた甑(こしき)という大きな蒸籠(せいろ)に移して、約1時間ほど乾燥蒸気で蒸します。

蒸しあがった米は、「外硬内軟」といって、外側がパサパサとしていて内側が柔らかいのがよいとされて、後の工程で米の形がある程度残る硬さを保ち、また効果的にコウジカビの生育を促す意味を持っています。

外側が溶けていると、コウジカビの定着の前に腐敗が始まる恐れがあり、また、内側に芯が残っていると、菌糸の成長が抑えられ米で一番良質のデンプン質を含んだ部分が、糖化・発酵しない可能性があるからです。 水が、米粒の外側から、中心部の心白(杜氏蔵人言葉では「目んたま」)と呼ばれるデンプン質の多い部分へ浸透していくと、米粒が文字通り透き通ってきます。 なお、和釜から甑を外すことを甑倒し(こしきだおし)といい、それは単に蒸しの作業が終わることだけでなく、杜氏や蔵人たちにとっては気の抜けない酒造りの季節が終わり、ほっと一息つく日の到来をも意味しています。